非課税制度という言葉を耳にするにあたり、
そもそも、非課税制度ってなに?
NISA?つみたてNISA?
利用するにはどうしたらいいの?
注意点とかってある?
と思ったことはないでしょうか?
そこで、この記事では、非課税制度とは何なのかについて、注意点や利用方法などを交えて詳しく解説していきます。
非課税制度は、投資をするからには絶対利用してほしい制度なので、ぜひ最後までご覧いただき、知識を身に着けていってください。
では、早速見ていきましょう!
非課税制度とは
投資における売却益や配当、分配で得た利益には、約20%の税金がかかります。
非課税制度というのは、ある一定の投資額において、その税金がかからなくなる制度のことです。
初心者でも始めやすくするために、日本の金融庁から発足されたものなので、決して怪しい制度ではありません。
また、利用するだけで節税となり、利益をまるまる受け取れるようになるので、投資をする人にとっては必須の制度と言えるでしょう。
非課税制度の種類
そんな非課税制度には、以下の4種類があります。
- NISA
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
- 新NISA
それぞれ詳しく解説していきますね。
NISA
NISAというのは、4種の非課税制度の中で一番最初(2014年)に発足された非課税制度です。
詳しく言うと、年間で120万円までの投資額に対する税金が最大5年間非課税となります。
主に、短期トレードや個別株を取り扱いたい人に向けた非課税制度ですかね。
また、「NISA」と次に紹介する「つみたてNISA」のどちらかで迷う人が多いので、それぞれ向いている人を紹介しておきます。
- 積立投資をしない人
- 個別株に投資をしたい人
- 非課税となる投資額が多いほうがいい人
- 好きなタイミングで投資をしたい人
つみたてNISA
つみたてNISAとは、「つみたて」という言葉があるように、主に長期・積立・分散投資したい人に向けた非課税制度です。
NISAとは異なり、非課税となる年間投資上限額は40万円と低いですが、その代わりに最大20年間非課税となります。
また、つみたてNISA自体のスタートは2018年と、NISAよりも比較的遅くに発足されました。
- 長期運用したい人
- 積立投資をしたい人
- 非課税となる期間が長いほうがいい人
ジュニアNISA
「NISA」と「つみたてNISA」は20歳以上でないと利用できませんが、未成年でも利用できるようにしたものが、ジュニアNISAです。
しかし、保護者の同意がないと利用できないので、注意しておきましょう。
また、「ジュニアNISA」自体は2016年からスタートし、「つみたてNISA」よりも早く発足されました。
新NISA
「NISA」は2024年から新たに利用することはできなくなりますが、それを解消するために発足されたものが、この「新NISA」です。
新NISAは2階建てとなっており、1階部分と2階部分に分かれています。
1階部分はつみたてNISAと同じ内容のもので、2階部分は従来のNISAと似た内容のものです。
要は、「つみたてNISA」と「NISA」が組み合わさったものですね。
まとめると、以下の表のようになります。
※右にスライドできます。
NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | 新NISA | |
---|---|---|---|---|
対象者 | 20歳以上 | 20歳以上 | 19歳以下 | 20歳以上 |
対象商品 | 株式・投資信託 | 国が定めた基準を満たす投資信託 | 株式・投資信託 | 1階部分:つみたてNISAと同じ 2階部分:株式・投資信託 |
受付期間 | 2023年まで | 2042年まで | 2023年まで | 2024年から2028年まで |
年間投資上限額 | 120万円 | 40万円 | 80万円 | 1階部分:20万円 2階部分:102万円 |
非課税期間 | 受付から最長5年 | 受付から最長20年 | 受付から最長5年 | 受付から最長5年 |
引出し制限 | なし | なし | 18歳まであり | なし |
非課税制度を利用するには?
さて、ここでは非課税制度を利用するにはどうしたらいいのかについて紹介していきます。
具体的には、以下のステップを行います。
まずは、SBI証券や楽天証券などの証券会社の口座を開設します。
なお、口座開設は無料です。
続いて、開設した証券会社で非課税制度を申し込んでいきます。
基本的には、証券会社の口座開設と同時に申し込むことが多いですが、口座開設した後でも申し込めるので、どちらにするか決めておきましょう。
次に、インターネットバンキングやATMを介して、証券会社に入金していきます。
入金方法は各証券会社で異なるので、事前に確認しておきましょう。
最後に、各証券会社に非課税制度の対象商品が示されているので、それを購入します。
このように、NISAとつみたてNISAを利用できることがわかるかと思います。
また、利用する際には各非課税制度の投資上限額に注意しておいてくださいね!
このステップをこなせば、利用したことになります。
注意点
次に、非課税制度を利用する際に注意すべきことを紹介していきます。
その注意すべきこととは、以下の通りです。
- 1人1口座のみ
- すでに保有している商品は非課税にならない
- 非課税口座以外の口座と損益通算はできない
- すべての商品が非課税制度の対象ではない
- 未使用分は翌年に繰り越せない
- 非課税期間を過ぎて売却すると、税金はかかってしまう
では、それぞれ詳しく解説していきますね。
1人1口座のみ
「NISAとつみたてNISAを併用する」というように、2種類あるいは3種類の非課税制度を同時に利用することはできません。
また、「この証券会社ではNISA、この証券会社ではつみたてNISA」というように証券会社ごとに利用することもできないので、注意しておきましょう。
すでに保有している商品は非課税にならない
「これからNISAを利用するから、今まで保有していた投資商品をNISAに移そう」なんてことはできません。
あくまで、非課税制度を利用し始めてから購入したものが、非課税の対象となります。
非課税口座以外の口座と損益通算はできない
損益通算とは、利益と損失を合計することにより、課税対象となる金額を減らすことができる仕組みのことです。
非課税制度では、その損益通算ができません。
例えば、NISAで損が発生したとしても、非課税口座以外で利益が発生していれば、課税金額をNISAの損失分減らすことはできず、まるまる課税対象となります。
なので、「非課税制度を利用していないものの課税対象となる利益は減らすことができない」と頭に入れておきましょう。
すべての商品が非課税制度の対象ではない
非課税制度を利用したからと言って、すべての商品が非課税になるとは限りません。
あらかじめ非課税制度の対象となる商品が決まっています。
なので、非課税対象商品かをよく確かめてから購入するようにしましょう。
未使用分は翌年に繰り越せない
年間の投資上限額に満たしていなかったからと言って、翌年の投資上限額が増えるわけではありません。
つみたてNISAの年間投資上限額は40万円ですが、「この年は30万円しか使わなかったから、その翌年の上限額が50万円となるわけではない」ということ。
そのように、未使用分は翌年に繰り越せません。
非課税期間を過ぎて売却すると、税金はかかってしまう
非課税期間を過ぎて売却してしまえば、当然税金はかかってしまいます。
なので、もし売却したいのであれば、非課税期間を過ぎる前に売却しておきましょう。
よくある質問
ここで、非課税制度に関する、よくある質問に答えていきます。
その質問とは、以下の通りです。
- 2021年から始めるとどうなるの?
- 途中でNISA⇒つみたてNISAのように変更できるの?
- 学生は利用できる?
- 利用するのにお金はかかる?
では、それぞれ答えていきますね。
- 2021年から始めるとどうなるの?
- NISAであれば、2025年まで非課税となります。
また、ロールオーバーはできません。
一方、つみたてNISAであれば、2040年まで非課税となります。
また、ロールオーバーはできませんが、現金化して新たなつみたてNISAで投資をすることは可能です。
- 途中でNISA⇒つみたてNISAのように変更できるの?
- 変更はできますが、翌年からになります。
例えば、9月1日に変更申請したとしても、適用されるのは来年の1月1日ということです。
- 学生は利用できるの?
- 20歳以上であれば、ジュニアNISA以外全て利用することができます。
20歳未満の場合は、ジュニアNISAのみ使えます。
ただ、ジュニアNISAの場合は保護者の同意が必要なので、注意しておきましょう。
- 利用するのにお金はかかるの?
- 初期費用・年会費共に一切かかりません。
誰でも安心して利用できますよ!
非課税制度に関する用語
最後に、非課税制度に関する用語について説明していきます。
- ロールオーバー
- 非課税投資枠
それぞれ見ていきましょう。
ロールオーバー
ロールオーバーとは、NISAでのみ利用できる、非課税期間が満了した後に、新たな非課税投資枠に移すことを言います。
例えば、2018年からNISAを利用していると2022年に満了しますが、ロールオーバーすると2023年の枠に移せ、2027年まで長引くのです。
また、インカムゲインなどによって120万円を超えた分も新たな枠に移すことができ、非課税の期間を延ばすことができます。
ただし、同一の金融機関でないと、ロールオーバーはできません。
非課税投資枠
非課税投資枠とは、非課税となる上限金額そのもののことです。
NISAであれば、非課税投資枠は120万円となり、計5つの非課税投資枠を利用できることになります。
まとめ:必ず利用し、税金から守ろう!
では、本記事で述べた内容をまとめていきましょう。
- 非課税制度とは、ある一定の投資額において、税金がかからなくなる制度である
- 非課税制度には、NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA・新NISAがある
- NISAとは、主に、短期トレードや個別株を取り扱いたい人に向けた制度である
- つみたてNISAとは、主に、長期・積立・分散投資したい人に向けた制度である
- ジュニアNISAとは、未成年でも利用できるようにした非課税制度である
- 新NISAとは、2024年から始まる、NISAの代わりとなる制度である
- 非課税制度を利用するには、証券口座を開設する際に申し込めばいい
この記事を読んだことで、非課税制度に関する知識はある程度身に付いたのではないでしょうか。
また、非課税制度は誰でも簡単に利用できるものなので、投資をする際には必ず利用し、税金から自分の資金を守りましょう!
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